私たちは人類
私達人類は霊長類の一員です。人類(霊長類)の祖先は、今の北アメリカがアフリカと陸続きであった約6500年前に北アメリカの熱帯雨林の樹上に現れました ※2-2-1。
1400万年~1000万年前にアフリカに地殻変動があり、熱帯雨林が消滅し、人類の祖先のみが肉食獣が徘徊するサバンナに進出しました ※2-2-2。捕食圧に耐えながら進化、今の私達人類となっています。長い年月をかけて環境変化に適応して来た訳ですから、人類にしか見られない適応(人類の特徴)、それら適応を支える私達の身体や集団生活の仕組みを知ることが重要です。それらは人類の生存戦略と見なせるからです。
以下は、その要点を箇条書きにしたものです。右図も合わせてご覧下さい。
【人類の祖先が選んだ主な選択肢】
熱帯雨林樹上から肉食獣が徘徊する地上(サバンナ)に進出
直立二足歩行
一夫一婦のぺア
多産となり、子育ても含め夫婦・親(祖母)共同作業
肉食(骨):肉食獣の食べ残しの骨。石で砕いて骨髄を取り出し食べた
脳容量の増大と脳機能の発達
【主な人類の特徴】
・ハイハイ・直立二足歩行(ロコモーション) ※2-2-3.
人類に際立つ特徴は直立二足歩行(四肢協調)です。
ハイハイは人類にしかできません。
・睡眠・覚醒リズムの2相性 ※2-2-3 (1日は1つづつの睡眠相と覚醒相)
・脳神経系(発達した大脳皮質)
・言語コミュニケーション ※2-2-4
・(霊長類の中では)多産であること ※2-2-5
・未完成脳のまま生まれ、思春期終了頃まで時間をかけて完成
・母親が生まれたばかりの赤ん坊を他人に渡して平気なこと ※2-2-6
・顔を見ておしゃべりしながら食事を分け合ってたべること(共食) ※2-2-7
・白眼が大きいこと ※2-2-7
・男女1対1のペアで家族を作り、親との関係を維持すること ※2-2-8
・ ”家“で共食する、共に寝る(共寝)(→寄生虫からの防衛→衛生管理の重要性/体毛が消失した理由) ※2-2-9
<人類の特徴>
(1)直立二足歩行
(2)脳神経系の発達
(3)睡眠
(4)育児
(5)集団生活から家族へ
2-2-1 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 36~37
2-2-2 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 146
2-2-3 瀬川昌也 BRAIN and NERVE 62巻11号(2010年11月) 1219
2-2-4 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 161
2-2-5 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 65
2-2-6 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 72
2-2-7 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 129~134
2-2-8 山極寿一「人類進化論」裳華房 2010年3月 73
2-2-9 山極寿一「社会の進化と睡眠」花王芸術・科学財団 文理融合シンポジウム 平成15年1月25日