私達は、機械ではない、生きもの
私達は、機械ではない、私達は生きものです。
私達は、生きものを“機械”として見てはならないのです。私達自身を機械として見てはならないのです。
専門家は「生き物は、生き物から生まれ、外界からエネルギーを取り入れて代謝し、成長し、自分に似たものを生み、そして死ぬ存在です」 ※1-1-1と説明しています。
生きものの特徴
自分と似たものを生み、次の世代に命を伝えます(命の連鎖)
親から生まれ、子を生みます。今の地球上のすべての命は元をたどれば10億年前の生命の起源となった一つの細胞(遺伝子)に行きつくといわれています ※1-1-2。この意味で、今の地球上のすべての生きものは、人間と同じように進化の最先端にいるのです ※1-1-3 。また、すべての生きものは10億年間もの命の継続を果たしてきた命、あなたも、私も10億年目の時を連鎖してやってきた命なのです。
生きものは遺伝子と環境の作用により生きて活動します
遺伝子には生命活動の“設計図”とそれに基づく指令を出す機能があります。
生きものは遺伝子からの指令と環境からの情報(環境刺激)や物質を得て、活動を行い、自ら再生(構築・セルフメンテナンス)を行っています。
毎日の再生(メンテンス)が大事
機械は、壊れた部品(ソフトを含む)を修理・交換しますが、生きものは壊れていようがいまいが部品(=細胞)の入れ替え(交換)が主。しかも高速大量交換です。
人間は200種類、60兆個の細胞から出来ており、200日でそのほとんどが入れ替わるとされています ※1-1-4。単純計算で細胞交換のスピードは毎秒数百万個ですが、1日で入れ替わる器官(細胞)がありますので実際はそれ以上のスピードです。この意味で、機械は、一瞬後も1秒後も同じ機械ですが、生きものは一瞬前と一瞬後では異なるのです。
このために、毎日、エネルギーや物質の補給や細胞レベルから器官、身体全体までの調整(セルフメンテナンス)を行っています。
地球上の生きものはすべて太陽の明暗リズムに生体リズムを同調させています
地球上の生きもの(植物、動物)すべては太陽の昼・夜(明・暗)のリズムに生物時計(概日時計)を同調させています。これは生きものの生存戦略とされています ※1-1-5 。このリズムに合わせて再生(セルフメンテナンス)が行われているのです。人類においては、身体の各器官ごとに体内時計があり、各器官はそれに従って活動していますが、バラバラの活動では効率が低下しますのでそれら各器官の体内時計を統合している指揮者的な時計があります。その指揮者的な時計は脳にあり、明暗を感知する機能を持っており、それによって太陽の昼夜(明暗)リズムに同調するよう身体全体を指揮しています。
1-1-1 長谷川眞理子「進化とは何だろうか」岩波ジュニア新書 2010年10月 13p
1-1-2 長谷川眞理子「進化とは何だろうか」岩波ジュニア新書 2010年10月 12p
1-1-3 長谷川眞理子「進化とは何だろうか」岩波ジュニア新書 2010年10月 62p
1-1-4 NHK広報局「NHKスペシャル ミクロの大冒険」 報道資料 平成26年2月20日
1-1-5 井上昌次郎「睡眠科学の基礎」日本睡眠学会ホームページ(http://jssr.jp/kiso/kagaku/kagaku.html)