人類の進化と私達、家族: 家族間相互作用

家族間相互作用

人工環境には家族や集団でうまく付き合う

地球上の生命は命の連鎖を10億年もの間営々と継続し、さまざまな自然環境変化に適応(進化)し、私達人類は生きものの一員として今生きています。私達の祖先は自然環境の変化に遭遇し、適応を重ね、遺伝子によって適応方法を私達現生人類に伝えてくれています。

私達現生人類は約20万年前に現れ、引き続き狩猟採集で生活していました。狩猟採集時代では家族が揃って共食、会話、共寝、共起床を行っていました。家族全員や集団は同じ生活リズムで生活をしていたに違いありません。ところが約1万年前に農耕が発明され、それ以降文明すなわち人工環境が広がって生活環境が大きく変わり家族も何もかも変わり始めました。今や、人工環境への適応が大きな課題となっているといっても過言ではありません。

私達の祖先は捕食者たちに対抗するために、集団生活や家族生活をあみ出しました。人工環境への対抗も、一人ひとりが単独でより、家族や集団で対応する方がより効率的に行われると思われます。そのためには、科学の力を借りながら人類の特徴を知り、それを土台に人工環境とうまくつきあう方法を見出すことが必要だと思われます。

家庭での家族間相互作用は脳機能を包むメンテナンス機能

人工環境、たとえば遮光性の高い屋根、壁、窓・カーテンは、当初人類が利用を予定していた自然環境からの刺激(太陽の明・暗の刺激)を遮断する働きをしますので、代わりの刺激が必要になってきます。多くの家庭で、家族が「朝が来た、起きなさい」という外部から刺激を与えて太陽の代わりをするのは、これが理由です。

人工環境とうまく付き合うためには、普遍的でかつ身近にあり、日々継続可能な外部から刺激を与える仕組みが望まれます。家族が揃って行う共食(エネルギー)、共寝・共起床、共朝食、顔を見合わせ談笑などの家族間の相互作用は、それら条件を満たす家族一人ひとりの脳機能を包み込む“装置“とみなしことが出来るのではないでしょうか?相互作用の質を高めることで応用範囲は広がるものと思われます。 (※この考えについては、引き続き科学的な研究成果からの説明が期待しているところで、研究者の皆様からのご協力を切望するところです)

人工環境からの自由

ファミリー・ルネッサンスは、家族間の相互作用こそが「人工環境からの自由」が得られる方法であると考えています。また、この意味で家族の再生です。
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家族が揃い、お互いに行う日常生活行動

お互いに向き合って食事(共食)
顔を見ながら会話(共会話)
共に寝る(共寝)
共に起きる(共起床)

家族の生活リズムの計測と評価

上記日常生活リズムの計測と評価
睡眠・覚醒リズムの計測と評価
活動時の歩行と五感稼働状況の計測と評価

集団との協力、その他

安全・心配・環境づくりなど
近隣との相互作用(安全、子育てなど)
互いの顔を見て心配ごと、夢を語り合う
買い物(商品・サービス購入)など生活について話し合い
 

家族間相互作用のその他の効果

一人ひとりの存在の実感

“家族間の相互刺激作用”が日々毎日繰り返されることになりますので、その刺激は脳にしっかり記憶され、家族一人ひとりにとって家族の存在と自身の存在を実感できるプロセスともいえるのではないでしょうか。

・一人ひとりの毎日がベストコンディション
・より良い結婚生活が増え、離婚が減る
・子どもにとって良い環境:子どもが健全に育ち、子どもの数も増える
・家庭内人間関係が良くなり、育児・介護にも全員が継続して参加するようになる
・自殺が減る

などに貢献するものと思われます。

世界中から情報収集

紙ベース時代なかなか情報は手に入りにくいのですが、ネットの時代ですので集団から情報を得られるのではないかという期待もあります。日本のみならず全世界から人工環境との上手な付き合い方に関する情報が得られ、再生(メンテナンス)、家族間相互作用の改善、解決策を模索しやすい環境にあるのではないでしょうか?