ファミリー・ルネッサンス ブログの創刊号(第1号)

イラスト 母・赤ちゃん

 

赤ちゃんが生まれ、「新しい家族がふえました!」という知らせを受け取ると思わず心が明るくなります。

一方、親がわが子を虐待したというニュースには心が暗くなります。

 

家族(ファミリー)という言葉が持つイメージ

ファミリー・ルネッサンスという言葉から、明るいイメージを待たれるのかも知れませんし、あるいは家父長制あるいは家族主義の再生や復活をたくらむ暗いイメージを持たれるのかも知れません。

Grandparents posing with grandchildren

 

 

 

 

 

一人ひとりと家族

家族と一人ひとりの間には何か力が働いているのでしょうか? 夕方の通勤電車は家に帰る人で毎日一杯です。外で活動している人は誰でも毎日家に帰ります。雨・風の時も家に帰ります。家に帰れば家族がいます。家族の元に帰るのです。一人ひとりと家族の間には見えない引力が働いているかのようです。

子どもが生まれる、年老いた親を見送る、日々の家族の営み、私達の一生の生活は家族とともにあるといってもよいのではないでしょうか?この意味では、誰もが「家族」のことについて知っているはずです。

何故、私たちは毎日家に帰るのでしょうか?

 

家族は人類の特徴の一つ

私達人類は進化の結果として直立二足歩行、高度な脳をもつという特徴を獲得していることはよく知られていますが、実は家族もまた進化の結果として獲得した人類の特徴の一つです。家族と脳、言語とは相互に密接です。

 

人類の生活の進化-集団生活と家族-

生きものは、生活の基本事項としてひとりで生きていくのか、仲間と生きていくのか選択しています。人類の生活は、熱帯雨林樹上での集団生活 →(地上)小規模集団と家族生活(言語発明以前) → 家族生活と大規模集団(言語発明以降)、の順で進化し現在に至っています。一人ひとり、家族、集団は相互に作用しながら生き抜いてきているのです。人は、家族、集団は相互に作用しながら明日に向かって日々命を営んでいるといってよいと思います。

 

最も大きな環境変化-文明-と私達

進化は環境変化への適応とされています(出典1-1)が、現代の私達にとっては人類が約1万年前に発明した農耕(出典1-2)に起源を持つ文明が現代の技術や社会制度に発展し、最早私達はどっぷり浸っておりそれら人工的な環境なしには生活できないほどです。一方でそれら人工環境には十分に適応しきれず、環境汚染や地球温暖化などが問題となっています。また、技術ではありませんが、会社や学校、法律や社会の慣習なども人工環境です。会社でのできごと、たとえば昇進・昇格の査定がストレスになり心身の変調を引き起こすケースはなくなりません。会社と社員の関係は永遠の課題といっても過言ではないと思われます。

 

-進化が教えてくれるヒント

私達人類の歴史は霊長類が出現した6500万年前にさかのぼり(出典1-3)、以来農耕を発明するまでは自然環境の下で進化を遂げて人類の特徴である直立二足歩行や高度な脳機能を獲得したのですから、人類はそのほとんどの時間を自然環境との付き合いに費やし、知恵を創ってきたともいえます。文明が出現する前の人類の生活の進化や特徴を知ることは、人工環境とうまく付き合うヒントや知恵が得られることにつながるのではないかと考えています。同時に、人類の特徴、たとえば脳神経系を日々良い状態にするためのヒントや知恵につながるのではないかと考えています。

 

 

ファミリー・ルネッサンスに込めた思い

ファミリー・ルネッサンスは、 生命の誕生、進化、霊長類としての進化結果として獲得した人類の特徴を知り、活かす、伸ばすという観点から、一人ひとりの命の連鎖や家族の継続、人間集団とのかかわりを命の営みとしてみていきます。 テーマは、人工環境からの自由です。人類の進化は、自然環境の変化への適応という形で進み、1万年前ほどの農耕の発明を機に人工環境への適応が課題となっています。人工環境は、生まれてからまだ1万年という時間であり、しかも生成と消滅するサイクルが短時間であるものがあるなど、十分に適応するのはむずかしいと思われます。人工環境とはうまく付き合うしかないと思います。そのためには、生きものの生存戦略に倣って一人ひとり単独で対応するより、仲間とともに対応する、すなわち家族を中心に人間集団と協力して対応するしかないと思います。

 

-庶民版ファミリー・オフィスを-

人間集団の協力得るという観点では、欧米にファミリー・オフィスというサービスがあります。ビル・ゲイツなど莫大な金融資産を持つ家族に対して資産管理を中心に教育や医療など生活の色々な場面で助言するサービスです。超お金持ちに銀行が手取り足取りサービスをする構図です。そのコアは経験や理論にもとづくさまざまな情報を集めて整理し提供することではないかと推定しています。

ファミリー・ルネッサンスは、インターネットを活用し皆様の参加を得ることにより、資産管理を除けば庶民であっても理論や経験に基づく生活の色々な情報収集が実現できるのではないかと考えています。一人ひとりが、日々ベストコンディションであること、生活のコストパフォーマンスを上げて少しでも自身のために時間と経済を使えるようにすることが庶民版ファミリー・オフィスではないかと考えています。

 

 

【ファミリー・ルネッサンス提唱】

・家族間相互作用を豊かにする

・体験・経験の情報交換の自由

・共感と同情(非言語コミュニケーション)の重視

 

ご感想・ご意見など

次号をお楽しみに!

 

(出典)

1-1:長谷川真理子「進化とはなんだろうか」岩波ジュニア新書 2010年11月5日 12p

1-2:山極寿一「人類進化論」裳華房 2008年 172p

1-3:山極寿一「人類進化論」裳華房 2008年 36~37

ホームページの再開は間もなくです。

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